全生研会員通信より転載

京都大会現地実行委員会より 全国の仲間のみなさんへ 
                                  現地実行委員会事務局長 
京都へおこしやす!
 全国の仲間のみなさん、この夏の全国大会は京都です!歴史の街・古都京都で私たち現地実行委員会は、全国のみなさんを心からのおもてなしでお迎えすべく、準備を進めています。

1・「Kの世界」を生きる
 私たち現地京都の実行委員会がこの大会取り組みのスローガンに掲げてきたのは、
「Kの世界を生きる〜競争から共生へ〜」です。
 「K」という文字に、私たち京都は、自分たちが教育実践を進めるときに最も大切にしてきたたくさんのことを重ね合わせて来ました。Kadaiを抱えたKodomoとKyoshiとのKyodo、この意味の頭文字Kはまさにその中心をなすものです。
 第三十五回大会を終えた翌年の一九九四年度から二〇年間、「重い課題を抱えた子どもを軸とする集団づくり」を愚直なまでに追求しつづけてきました。そして、その研究・実践を機関誌『Kの世界』にまとめて発行してきました。めまぐるしい情勢変転の中でも、重い課題を抱えた子どもは常に存在しつづけたし、少数(意見)の尊重こそが民主主義の要諦だと確信してきたからです。

2・困難を乗り越える勇気となることを目指した「基調報告」
 子どもたちと教師に対し「非寛容」と排除の傾向が過酷に強化される教育現場では、「Kの世界」の共有を実践の軸に据え、そのような実践仲間を広げることの必要性がますます強まっています。とりわけ今、「もっとも苦しい立場に置かれている仲間を軸とする職場集団づくり」と「『K』を軸とする学級集団づくり・学校づくり」のしたたかな展開が、京生研の追求テーマ(少数者の側に立つ、抑圧される人の側に立つ、民主主義を根源的に追求する)の必然的帰結として求められています。
 二〇年間の研究と実践の蓄積を、今回の京都大会では、全生研全国大会として初の試みである『基調報告』という形で、常任委員会とともに現地から発信します。全生研の一員として、我々京都が愚直に追求してきたリアルな実践のあり方を、緻密に分析し理論化してきた報告を発信することで、全国の仲間が、自分の毎日の苦悩の意味を読み解き、意味づけ、そして明日の実践の展望を見つけ出す。その根本となる「哲学」と、「見方」と、そして前に進むための源となるエネルギーと、子どもに寄り添い続けられる熱をもたしうるものにしたい。そう願って一年かけて練り上げてきたA4で三〇ページを超える渾身の長編大作です。
 大会紀要には全編が掲載できず、ダイジェスト版となりますが、何らかの形で必ず、完全版をみなさんにお読みいただけるようにしたいと思います。

3・新旧のエネルギーの融合、「大会歌」
 今回、実行委員会の「諸集会パート」が三ヶ月を費やして大会歌を作り上げました。作詞と作曲を担当したのは、二〇代の若い二人でした。
   大会歌・「ともに」
  ひとりの願いを みんなの願いに / 願いを力に 踏み出そう
  転んで痛くて 悔しいときでも / 自分を信じて 歩き出そう
  はるかな道の 答えはなくても / 走り抜けよう 風を起こそうよ
  進んでいる 速さは違うけど / いつも あなたは 一人じゃない
   共に生きよう この時代を  今ここに あなたといる奇跡
   共に進もう 光の中を  共に さあ歩いてゆこう

  ひとりの涙を みんなの涙に / 深い悲しみは 胸の奥
  あなたを守れる ちからがほしいよ / 見せない涙に 気付きたい
  熱い心 受け継いでゆこう / 新しい道 切り拓いてゆこう
  立ち上がろう 時代に抗って / 胸の 灯 燃やし続けよう
   共に生きよう この時代を  今ここに あなたといる奇跡
   共に進もう 光の中を  共に さあ歩いてゆこう
   (くりかえし)

4・現地の勇気・Cメロ委員会
 三月三一日の京生研の諸集会パートMLに、こんなやり取りが発信されました。
 「Kです。佐々木先生、Y先生、本日は遠方からありがとうございました。最後の 最後まで中途半端な形での提案・・・。皆さんの力を借りて決めていくことができました。サビのインパクトで「これしかない!」という思いでとびついた@案、そして事務所へと駆けつける途中に頭に蘇ってきたあのメロディー(A案)・・・。若手のオピニオンリーダーH先生、音取り抜群T先生、歌唱力豊かで歌詞もすぐ考えつくS先生、ピアノも歌詞もお任せY先生、そしてY2先生、佐々木先生・・・。Cメロに特化した会議でしたがあっという間に2時間半が過ぎてしまいました。(後略)」
 会議の日に限って降る雪、凍るような寒さのなか、Cメロを作るために大の大人が集まって論議する。Yさんは、修学旅行の下見からの帰りに直接駆けつけた。Kさんはサッカーのラインズマンをしながらメロディーを考え(!)、疲れた体でも生き生きした気持ちでこの会議に結集する。Y2、佐々木両ベテランは、二時間車を飛ばして若者を励まし続ける。この発信が、実行委員会の取り組みそのものが、仲間にとっての励ましであり、活力でありエネルギーでありそして喜びである。そのことを象徴的に物語っています。

5・大会会場は『重要文化財』=古都京都の魅力全開
 さて、京都大会会場となる龍谷大学大宮キャンパスは、京都駅から歩いて一〇分。世界遺産西本願寺のすぐ南にあります。東黌(とうこう)の教室からは、その御影堂の大屋根が見えます。分科会会場の校舎、北黌(ほっこう)、南黌(なんこう)、そして正門、正門横旧守衛所は何と重要文化財です。都会の近代的な大学とは趣の異なる、こぢんまりしたクラシックなキャンパスです。そのまさに京都らしい空間で、一〇〇〇人の仲間と熱く学びます。

6・学童保育は「満一歳」から受け付けます
 保育担当の創意工夫と努力で、学童保育は満一歳から受け付けます。小さいお子さんをお連れの参加者も、安心して学んで下さい。

7・全生研&高生研コラボ企画
 二つの研究団体がコラボレーションして学ぶ画期的な企画です。
@「貧困と格差の中の子ども・若者たち」
A「荒れ・いじめ・問題行動に向き合う」
B「生きづらさをかけた子ども・若者の声を聞く」
の三つの分科会を用意しました。どの分科会も、小中高の教師が小グループでしっかり発言できる形式をとります。そのあと、若者の集いも用意しました。

8・現地KINKIのベテランを結集!「近畿の『集団づくり』入門講座」
 半日なら参加できる、してみたい。そんな若者の要求にも応えうる企画をと、近畿の全国委員が中心となって企画する講座です。

9・もちろんレポート分析は大会の柱
 今年も二十二の分科会に分かれて優れた実践をみんなで分析し合い、学びを深めます。

10・子ども集団づくり実践講座、自主企画、若者の集い
 毎年好評の実践講座、今年は六〇分に拡大して十三のテーマを用意。課題意識にぴったりの講座が選べます。自主企画は「非行と向き合う親たちの会」です。

11・紀要は『大会記念トートバッグ』に入れて持ち運び!
 宿舎から会場まで、紀要を持ち運ぶ入れ物は、大会ロゴ入りのエコマーク付きのトートバッグを用意します!大会の記念に、また大会後の日常使いにも便利です。

12・京都に「おこしやす!」
 現地京都のメンバー一同、全国からのみなさんのお越しを心からお待ちしています。1000名の参加を達成し、全国の会員が「集まる」エネルギーを肌で感じ、その熱を持ち帰れる名実ともに「熱気あふれる」大会をみんなの力で創りあげましょう!